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第4章 中学三年生編１【樹里 side】

「ッ！」

私は引ったくるようにテスト用紙を受け取り、
「ありがとう」
小さな声で拾ってもらった礼を言う。

「…良かったら、見直し手伝おうか？おれ、一応Ａクラスだからさ」

この学習塾は成績順にクラス分けされていて、Ａクラスは有名進学校を狙える優秀者ばかりが集まっている。ちなみに私は一番下のＥクラスの中でもダントツ最下位である。

「あ、いえ、気持ちは嬉しいけど、近所に頭のいい幼馴染みがいるので結構です」