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第2章 シーン　2

　あたしを目で探しているのが分かる。おあいにくさま、あたしはもう車内。ドアは閉まりゆっくりと加速が開始されるとホームに残された男の傍を電車が走り出す。ふと車内に目をやった男の視線があたしを捕らえて、目が大きく見開かれた。
「なんだよう。」
　走る電車の窓越しに男が叫んだけれど、すぐに後方に去ってしまう。軽い揺れと微かなざわめきの中に身を置きながらあたしはほっと胸をなでおろした。



　玄関の前まで来てあたしは携帯を出す。まだの明かりがついていたのを確認してあるから、間違いなく大輔は家に居る。携帯の通話ボタンを押すと、すぐに大輔が出た。