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第2章 シーン　2

「華奢な肩の線がたまらないね。色白な肌みると服で隠されている部分を想像して興奮してきちゃうなあ。」
　男の手が臀部の盛り上がりから尻の割れ目近くに下がってくる。嫌悪感しかない。同じ行為なのにどうしてこうも違うのだろうと思う。これが大輔や風間さんならばあたしはどうしただろうとふと思う。いくら混雑している車内でも嫌がるあたしに男が触れていることは周囲が気がいて何となく警戒感が漂って来始めている。これ以上注目を集めるのは嫌だった。電車が次の駅に近づき減速を開始する。ブレーキがかかると社内の人波が慣性で大きく揺れた。電車が止まるとあたしのいる方と反対側のドアが開いて降車する客が降りていく。
「降ります。」
　ワンテンポもツーテンポも遅れてあたしはドアに向かって移動すると、男もあわててあたしの後を追って降りようとしている。電車から降りてホームに立ち足早に駆ける。男は乗車する客に阻まれて降りるのが遅れていた。視界の隅で男が降りたのを確認してあたしは傍のドアから乗車する。