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第2章 シーン　2

「分からなかったでしょう？」
「ああ、驚いたなあ。」
　大輔の視線があたしの顔、髪、服、足元からずっと舐めるようにしげしげと観察して分析するようにいちいち頷いている。
「どう？この服と髪型も似合うでしょ？」
　このワンピースは大輔に見せるのは初めてだし、ここまでの色に髪を染めた事はない。それだけでも違って見えるのに、化粧でまるで別人になって、声色まで変えれば分からないのは当然だと思う。
「まいったな。これが里菜の言っていた別人になると言う事か？」
「そうよ。声色はさっきは変えていたから、もっと違う印象だったでしょ？」
「そうだな、もっとキーが高く甘ったるく聞こえた。」
「これなら上手くいくと思わない？」
「え？ああ、浅田部長を誘惑する話か？」
「だって大輔さん絶対無理って言って話を聞いてくれないんだもの。」
「とりあえず中に入ろう。」