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奴隷メイドオークション ~正しいメイドの育て方~
第9章 亜里沙の事情
パタンとドアが閉まり、取り敢えずそのままベッドに俯せる。
亜里沙ちゃんの話は、衝撃的だった。
自分を含めたメイドたちが、色々な過去を持っていて当たり前だろう。何も無ければ、ここにいるはずがない。
そんなことをぼんやりと考えていた。
ノックの音に、慌てて起き上がった。いつの間にか、少し眠っていたようだ。
「夕食でぇーす!」
その声を聞き、急いでドアを開ける。
「美桜さーん、大丈夫ですかぁ?」
奈々ちゃんが訊いてきた。
また亜里沙ちゃんへと同じように説明して謝り、トレイを受け取る。
夕食のメインは、牛肉グリルのオレンジソースがけ。
奴隷ではあっても、部屋や食事は立派なものを与えられている。
夕食を無理にでも食べようとして、皿の下にある2つ折りのカードに気付いた。すぐに開いて読む。
《美桜。明日からの時給は、4000円となります》
印刷された文字で、著名もなかった。
今日の何で時給が上がったのか、私には解らない。オシオキ部屋のことか、セックス紛いのことか。
愛さんが、ご主人様に気に入られればすぐに時給が上がる、と言っていたことを思い出す。
何か気に入れたということなんだ……。
でも、あんなオシオキはもう絶対に嫌だと思いながら、私は夕食を摂った。
第10章へつづく