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隠密の華
第10章 九

……こんなに手の早い男とこれからはいつも一緒だと思うと、ゾッとするな。

「設樂、今日は泊まっていけ」

「ああ、そうさせて貰う」

「では部屋へ案内させる。胡蝶は俺と来い」

私から離れても私の手を握る白夜へ、些か諦めながら「はい……」と返事をする。これからの事を考えると、更に不安が込み上げた。
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