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隠密の華
第14章 十三

「桐め……正直嫉妬で狂いそうだ」


そのまま強く左腕を引かれると、一瞬驚いて頭が真っ白になる。
状況を理解出来たのは、自分の体が設樂様の両腕ですっぽりと抱き締められた後だった。


「……設樂様?」


何故このような事を……?

緊張で胸が破裂しそうだ……。

心臓に悪い。



「都、きっと白夜も俺と同じ気持ちだったのだ。そして驚くことに白夜は」



鼓動を速めながら設樂様の話に耳を傾ける。

しかし、続けられた言葉に耳を疑った。



「白夜は、胡蝶が偽物だと知っていた――」





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