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第15章 十四

「設樂様から全部聞いた。白夜に偽物だと気付かれたことも、白夜が初めからその事に気付いてたことも。……だから急に消えたのか？」

「え……？」

「隠密として密命を果たせなかったことを悔やんでたんじゃないのか？」


桐からの質問に私は戸惑い、そのまま黙り込んでしまった。

……私が祖国へ戻ったのは、白夜から背を向けられたからだ。

あの時酷く傷付いて、何も考えられなかった。