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隠密の華
第1章 プロローグ

絶対に、この男が山賊の頭だ。オーラが他の山賊達とは全く違う。まがまがしくて、冷徹さが伝わってくる。その感情がない様な瞳は、さっきから私を捕らえてはなさない。

「急いでいるんだ!私にはやらねばいけない事が……!」

「知るか」

「っ……」

「とは言え、俺達も男だ。山賊の中には色んな奴がいる。売る前に食われないよう気を付けろ」

必死に訴える私を置き去りにし、そのまま男は住処から出て行った。
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