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ジャンクフードでできている
第22章 秋
ボーイッシュな貴女を思い出す
あれはいつだったろう
教室の机に顔をつけて
窓の外を見ていた
ずっとこんな時間が続くと思っていた
貴女が私の顔をのぞきこむ

貴女とならきっと何もかもうまくいったのだ

私はきっと貴女と何かの符号のように
ぴったりと合わせることができたのだ
まるで元々は一つだったかのように

そんなうふうに想う

私と貴女の特性は歪んでいるから
他の誰ともぴったり合わない
歪んでいるからこそ
私達は唯一無二
二人で一つになれるのだ

大きな葉っぱの木にもたれている
蟻が何かの幼虫を運んでいる

やっぱり貴女は私の前に立って
微笑んでいる
そのハスキーな声が心地好い

あの時の口づけを
私は忘れてしまっていたのだけれど
それは忘れることにしていたのだけれど
そのうちに遠い記憶にしまっていたのだけれど
少し前、夢にみた
目が覚めて
泣いていた

私は今、貴女に会いたい
貴女に会いたい

そして、それは叶わないことだと
わかった

寝室は真っ暗だけど
慣れてしまった目には
天井が見えている

もう、私はどこにも行けない
どこにも行けないのだ

ただ涙は流れて乾いた

「望郷のゆめ」



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