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ジャンクフードでできている
第22章 秋
「いつもなんだよ」

彼は嘲るように言う

非常階段の裏

屋上の給水施設

エアコンの室外機が並ぶ

この「喫煙所」は周りから見えないようになっている

私は隅で腕を組み、煙草を一息吸う

「やっちまってから気がつくのさ」

彼はコンクリートに腰かけて足をぷらぷらさせている


ここは私と彼の秘密基地

私達は悪の秘密結社キツエンシャーなのだ

私達は日々、ここで世界征服の悪巧みをしているのだ


室外機から水が垂れている

その下に苔が生えて

水滴が空を映している

風が吹いている

煙草の煙が空に上って消えた


私達の他愛もない悪巧みは

今も私の灰皿の中に

燻っている


「俺は行くよ」

彼がそう言ったのは覚えている

私の中の彼はそれが最後だ

いつも悪の秘密結社は

正義のヒーローに負けてしまう

私達の悪巧みは叶わないまま

今もまだ燻っている


「世界征服の行方」




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