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ジャンクフードでできている
第23章 花粉偏頭痛
もうすぐ電車が到着する
私は鉄道オタクではないのだけれど
夜のホームに立っているのが好きだ

列車がくれば、ひととき
仕事帰りや塾帰りの人びとが乗り降りをする
にぎやかな時間

そうして、発車してしまえば
また静かな時間になる

そこに1人で立っている

まるで時間というものから
取り残されたように
そこにいる

初夏の夜風が吹く
田舎の駅は1時間に数回列車が来ればよい方だ
近くの田んぼで蛙が鳴く
羽虫が蛍光灯に群れている

私はここに一人いる

誰でもない私だ

不意の突風と轟音
特急の通過

全てを凪払い奪い去っていく羅漢のよう

アナウンスと電光表示板

次の列車まで、まだ時間はある

ホームのビデオに私の姿は映っているだろうか
一人で列車にも乗らず、誰も待たず見送らず
ただ立っている私は
異状に映るか

眼を瞑る
静寂の中に
世界の音が聞こえてくる

飛び込む?
飛び込まないよ
私は決して死にたい訳ではないんだから

それに
なるべくなら、死ぬときに他人に迷惑をかけたくない

そのうち、飽きたら
家に帰ってビールを飲むのさ

ほら、次の列車がやってくるから

「どこかの駅で」



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