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溺れる金魚
第11章  交わり
懇願するように彼の名を呼ぶ。


「たか、しさん……。崇志さん……。お願い。私……崇志さんの、が……欲しぃ……欲しくて……堪らないの……」

彼の首に回したその手が佐野にすがる。



「紗良……あぁ、紗良。これが現実なら……どんなに……。ああ、くそっ」


そう言うと急に、乱暴に乱雑にもどかしく彼女の身を包んでいた全てのものを剥がし始めた。


「崇志さん……あっ……やっ待って……」



先を急ぐ佐野の手に急に怖じ気付く。

今までの甘さから一転して、急に佐野は彼女の声などまるで届いていないかのように欲望だけで彼女を貪り始めた。


その鋭く刺してくる目付きが、怯えながらもぞくりと背中を伝って快感へと誘う。

至るところを食べられる。



その甘咬みが快感へと誘う刺激となって紗良の背中が粟立つ。


気持ち、良い……もっと、食べて……。




もっと……もっと……。
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