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溺れる金魚
第11章  交わり
怖いっ。その先を知るのが怖くて、急に怖じ気づく紗良。

「きつっ……指が……食いちぎられそうだ。……ああ、紗良……。もしかして……俺が初めてなのか?お前はまだ処女だったのか?」



今まで真実を知るのが怖くて敢えて避けてきた質問を佐野が投げ掛ける。

処女。


大人の彼にとってそれが重たいと思われるのが嫌で返事に戸惑う。




恥ずかし気に目を逸らす紗良に、佐野は目を細めた。

「初めてなんだね。ああ、可愛い俺の紗良……。すまない、痛かったろ?もう少しだけ……我慢して。ゆっくり慣らそう。痛みは有るがなるべく努力してやるから……」



俺の……紗良。


その言葉に紗良は目を潤ませながら静かに頷いた。
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