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第11章 　交わり

ずっと、あなたのものになりたかった。

それが今、叶っていることの奇跡。


佐野は体勢を変えると彼女を膝に乗せて横に抱き指をゆっくりと抜き挿ししていく。



痛くて切なくて……それなのに、喜びに満ちていた。

必死で彼にしがみつく。


時間を掛けて、やがてその指を二本に増やす。



耐えるように彼にしがみつき、声を出さないようにと彼の体に口を押し当て我慢する紗良。


最初は痛みを訴える声だけを堪えていたはずが、次第に自ら上げる喘ぐ声に気が付く。

「紗良、そろそろ入れるよ」


何を？と聞く間もなく紗良は固い床の上に組敷かれた。


刹那、激痛が貫く。



指の挿入などとは比べ物にならない痛み……。


その痛みを和らげるように、キスが甘く降り注いでくる。



浅くゆっくりとそれが入っては出ていく。

心配そうに何度も、痛くないかい？と彼が聞いてくる。




痛いと訴えて、今の行為を止められるのが嫌だった。

彼の肩に口を埋めながら懸命に堪える。