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POISON 〜プワゾン…毒
第4章 サクラになる
9月に入ると毎日が慌しかった。
神崎さんが高校の校長に挨拶に行き、海外に行っている間は留学として、沢山の宿題と引き換えに単位を貰えることになった。

私は神崎さんと他のモデル達と日本を発った。
モデル業界の、イジメが酷いと聞いていて、プレタポルテモデルは各国からのハイクラスモデルばかりで、プライドの高いモデルが多かった。
少しでも気に入らないと、陰湿なイジメされるそうで、私はそれが一番の気がかりだった。

「あの子よ。神崎さんがゾッコンになってる子。」

「なーに、全然華がないじゃない。それに小さいし。」

173cmではこの世界では小さい方になるようだ。

「枕かぁ。神崎さんは枕は通用しないって聞いていたけど、嘘だったのね。」

私に聞こえるように話していた。

私が機内でトイレに立とうと思い、通路に出ようとすると、邪魔をされなかなか出られなかったり、通路を歩くと足を出されたりとした。露骨な嫌がらせだった。

「ちょっと、あんた。」

「はい?」
隣に座ったミライという女性が私に話しかけた。

「智さんと寝たの?専らの噂だけど。」

「寝たって?どーいうこと?」

「枕でこのブランドのモデルになったんじゃなければ、あんたなんてなんでモデルになれるわけないじゃない。」

「寝てません。」

「ふーん、まぁ、どうでもいいけど。みんなは枕女だと思ってるわよ。」

ニューヨークまでの機内は居心地が悪かった。

ニューヨークに着くとモデル達は別行動だった。
やっと気持ちが軽くなったが初めての海外、初めてのニューヨーク、初めてのランウェイ…
私は緊張していた。空港でみんなも別れたが、私はどこをどうしていいのか分からなかった。
「アリサ!こっちだよ。こっち。」
飛行機では神崎さんはファーストクラスに乗り、会えなかったのだ。
心細かったが、神崎さんの姿を見てホッとした。

「他のみんなな慣れているから、自分のお気に入りのホテルを自分で取ってるんだよ。アリサも一人で出来るようにならないとな。」

「は…はい。」

空港を出ると、車が待っていた。
私の荷物と神崎さんの荷物を乗せると走り出した。

「飛行機はどうだった?だれかと話しができた?」






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