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終止符.
第14章 想い
『新しく入居する方へ

隣に住んでいる女性には気を付けましょう!

────────』



「……なんでこれがここに…」

自分が書いたマジックの文字を見つめながら純は、

「ヤバい…怒ったかな、でも捨てられてない…」

と独り言を言った。


「あぁっ…だめっ…あぁっ…たくちゃん…もうっ…もうっ……」


純が住んでいた隣の部屋からとんでもない声がする。

純は驚いて壁に耳を近付けた。

「あぁん…やめないでぇ…もっとしてぇ…」


純はネクタイを緩めゴクリと唾を呑み込んだ。


ソファーにドサッと沈み込み頭を抱える。


「やめてくれよこんな時に…」


純は上着を脱いでキッチンに行き蛇口からジャーっと水を出して顔を洗った。


「すみませんがお水を一杯ください。」

ぎょっとして振り向くと奈緒がマグカップを差し出して純のすぐ後ろに立っていた。


「な、奈緒さん、大丈夫ですか?」

「問題なーい。」

奈緒は目を閉じたまま返事をすると、純が水を入れてくれたカップを受け取り一気に煽った。


ゴクゴクと飲まれる水よりもカップから溢れる水の方が多い。


「あ~、奈緒さん溢れてますよ、あ~ぁ服が濡れちゃった。」


純は空になったカップを受け取り、側に掛かっていたタオルで奈緒の口を拭い、濡れたブラウスの胸元を拭いた。


奈緒の優しい弾力が伝わってくる。

「おやすみなさい。」

奈緒は目を閉じたまま歩き出した。

「あ、そのままじゃ風邪ひきますよ、スカートも濡れてるんだから着替えて下さい。」

純が後を追うと奈緒はリビングのソファーに寄りかかってしまった。


「奈緒さん。」

隣の声は止んでいた。

濡れたブラウスから白いレースのキャミソールが透けて見える。

水が伝った部分が滲みて色が変わったタイトスカートの裾から、斜めに伸びた脚が純を誘う。


「…奈緒さん起きてください。」


純が奈緒の肩を揺すった。


「奈緒さんっ。」


純に何度も揺すられて奈緒が薄く目を開ける。


「服が濡れてるから脱がせてもいいですか?」


奈緒はコクンと頷いてまた目を閉じた。



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