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終止符.
第14章 想い
昼過ぎに起きた二人は、昨日純が作ったスパゲティを冷蔵庫から取り出して温め、「美味しくない。」と言い合いながら空腹を満たした。


「純が悪いのよ、出来立てを食べたかったのに。」

「悪いのは奈緒さんです。」

「どうして?」

「……」

「どうしてよ。」


二人は狭いシンクに並んで食器を洗いながら口を尖らせていた。


「だって……奈緒さんを見ていると、我慢できなくなるから…」

「…そ、それはあなたが悪いのよ。」


奈緒は赤面した。


「僕は悪くない。」

「まあいいわ、許してあげる、 どうせ今だけだもの。」

「えっ、 今だけって?」

純はすすいだ皿を拭きながら奈緒を見た。


「だって…私はすぐに…あなたにとってその…、魅力的じゃなくなるもの。」


奈緒は純が拭いた皿を受け取って食器棚に戻す。

「僕にとって奈緒さんははいつまでも魅力的です。」

「嘘…」

「ホント。」

「…あと20年経っても?」

「50年経っても。」

「ぷっ…あははは、そうね、その頃なら、並んで歩いても大差ないわ。」

「今もないです。」

「あるわよ。」

「ないんです。 僕が奈緒さんと並んで歩きたいんだからいいんです。」

「……ずっと、そうならいいな…」


奈緒が食器棚の扉を閉じながら言った。


「ずっとです。 僕が証明してみせますよ、いいですね。」


純の真剣な顔に奈緒は切なげに笑って「はい。」と答えた。


「僕、夜に友達と約束があるんですけど…、断ろうかな?」

「あら、どうして?」

「明日引っ越しする先輩を手伝うための打ち合わせなんですけど……、僕、奈緒さんといたいな。」

「約束は守らなく──…っ…」


奈緒は抱きしめられ唇を塞がれた。


「…ちょっ……純…」


奈緒は壁に押し付けられ、スカートを捲り上げた純の指先が下着ごしにこねるように奈緒を刺激した。


「や…やだ…、じゅ…ん…」


「約束は守ります。 でもその前に…」


純は熱く舌を絡ませながら、ショーツの中に手を潜り込ませ、溢れる場所を指先で揉むように撫で回した。


「あぁっ…」


「奈緒さん、もう…こんなになってる…あぁ…」


耳元で囁きながらグチュグチュと音を立ててかき混ぜ、奈緒と見つめ合う。


「我慢できなくなるって言ったでしょう?」

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