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終止符.
第16章 愛しい人
グスングスンと泣き続ける奈緒の顔を拭きながら、
「奈緒さん、そんなに泣くから顔が凄いことになってますよ。」
と純が笑った。
「ど、どうせ…ひど、酷い顔なのよ…、だんだん崩れて…い、いくのよ…これからは…ゥッ…しわも増えるし、…た、たるむし…もっと、もっとぐちゃぐちゃになるのよ…ヒッ…ヒクッ…」
涙の意味が変わってきた。
「じ、純は…素敵よ、これからもっと…カッコよくなるわ…ヒクッ…」
純は片方の手をリモコンに伸ばし、ボタンを押して暖房を効かせた。
「ね、ねぇ聞いてる?…私の話…ヒクッ…」
「もちろん聞いてますよ。」
純は微笑みまたティッシュで奈緒の涙を拭き、鼻を摘まみながら鼻水を拭き取った。
「奈緒さん、暖かくなってきたからコートを脱いだ方がいいですよ。」
純は奈緒が抱えていたプレゼントをテーブルに置き、コートを脱がせてハンガーに掛けた。
「ありがとう…グスッ…」
「どういたしまして。」
純は自分のコートと上着を脱ぎ、ぽつんと立っている奈緒を見て目を細めた。
少し顎を上げながらネクタイの結び目を掴んで左右に動かし緩めていく。
「………」
点滅する明かりの中で、奈緒はいつしか純の仕草に見とれていた。
逞しさを増した肩や胸板、引き締まった頬。ぼやけたオレンジ色の光りの中に立っている純は魅力的で、思わず引き込まれてしまっていた。
「………」
純が肘を曲げYシャツの袖のボタンをゆっくりと左、右へと外しながら奈緒を見つめる時には、奈緒の涙は止まっていた。
「………」
「大好きだから大丈夫です。」
「えっ?」
「どんな奈緒さんでも。」
純はYシャツのボタンを上からゆっくりと外した。
首筋から胸元のタンクトップが覗くのをみてハッとした奈緒は
「き、着替えなら寝室でどうぞ…」
と言って慌てて背を向けた。
「奈緒さん…」
シャツを脱いだ純が後ろから抱きしめた。
「──…っ…」
「抱いてもいい?」
「………」
純の囁く声が耳元から首筋、背中を駆け抜け思わず肩をすくめる。
「ねぇ、抱いてもいい?」
熱い息を耳元に吐きながら、純はゆっくりと奈緒の着ているワンピースのファスナーを下ろし始めた。
「待って…」
「奈緒さん、そんなに泣くから顔が凄いことになってますよ。」
と純が笑った。
「ど、どうせ…ひど、酷い顔なのよ…、だんだん崩れて…い、いくのよ…これからは…ゥッ…しわも増えるし、…た、たるむし…もっと、もっとぐちゃぐちゃになるのよ…ヒッ…ヒクッ…」
涙の意味が変わってきた。
「じ、純は…素敵よ、これからもっと…カッコよくなるわ…ヒクッ…」
純は片方の手をリモコンに伸ばし、ボタンを押して暖房を効かせた。
「ね、ねぇ聞いてる?…私の話…ヒクッ…」
「もちろん聞いてますよ。」
純は微笑みまたティッシュで奈緒の涙を拭き、鼻を摘まみながら鼻水を拭き取った。
「奈緒さん、暖かくなってきたからコートを脱いだ方がいいですよ。」
純は奈緒が抱えていたプレゼントをテーブルに置き、コートを脱がせてハンガーに掛けた。
「ありがとう…グスッ…」
「どういたしまして。」
純は自分のコートと上着を脱ぎ、ぽつんと立っている奈緒を見て目を細めた。
少し顎を上げながらネクタイの結び目を掴んで左右に動かし緩めていく。
「………」
点滅する明かりの中で、奈緒はいつしか純の仕草に見とれていた。
逞しさを増した肩や胸板、引き締まった頬。ぼやけたオレンジ色の光りの中に立っている純は魅力的で、思わず引き込まれてしまっていた。
「………」
純が肘を曲げYシャツの袖のボタンをゆっくりと左、右へと外しながら奈緒を見つめる時には、奈緒の涙は止まっていた。
「………」
「大好きだから大丈夫です。」
「えっ?」
「どんな奈緒さんでも。」
純はYシャツのボタンを上からゆっくりと外した。
首筋から胸元のタンクトップが覗くのをみてハッとした奈緒は
「き、着替えなら寝室でどうぞ…」
と言って慌てて背を向けた。
「奈緒さん…」
シャツを脱いだ純が後ろから抱きしめた。
「──…っ…」
「抱いてもいい?」
「………」
純の囁く声が耳元から首筋、背中を駆け抜け思わず肩をすくめる。
「ねぇ、抱いてもいい?」
熱い息を耳元に吐きながら、純はゆっくりと奈緒の着ているワンピースのファスナーを下ろし始めた。
「待って…」