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終止符.
第16章 愛しい人
さらに沙耶が仕切る。


「ほら純、奈緒をもっと前に押し出して…」

「あ、はい…奈緒さん前に…」


沙耶のひと声で、遠慮がちに一歩下がっていた奈緒の目の前が開け、沙耶に一番近い位置に陣取った。


「いいわね、後輩諸君!」


沙耶が叫んだ。


「空気を読むように。」

「はぁ~い。」
「はぁ~い先輩。」


女性陣が答える。


「あんた達は若い。」


笑い声が起きる。


「順番を守るように。」

「あははは…」
「わかりましたぁ。」
「了解です。」

「沙耶ったら…」


奈緒は嬉しかった。



──人生の所々で



沙耶が奈緒の位置を何度も確かめて、背中を向けた。


「準備はいいかしら、奈緒。」

「上手く投げてね。」



──終止符を打ってきた



「あはは、任せといて!…いくわよ──…それっ…」


ウェディングブーケが高く舞い上がる。

愛しい人達の想いを乗せ

青空に弧を描き…

ストンと奈緒の手の中に下りてきた。



──でも愛しい彼との…



歓声の中で純の声が響く。


「奈緒さん!」


ブーケを持った奈緒が振り返った。



──終止符は打たない



「僕と…、僕と結婚してください。」




──けっして

















※皆様、ありがとうございました。

なんとかここにたどり着きました。

ほっとしています。

後日、あとがきにてご挨拶させていただきます。

RIN


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