この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
終止符.
第8章 転機
休日ののんびりとした空気を感じながら、奈緒は帰る途中に自宅近くのコンビニで朝食用にパンと缶コーヒー、ついでにおにぎりとスナック菓子を買い込んだ。

レジで会計を済ませ外に出ると、自転車を降りて来た純とすれ違いそうになった。

「あ、奈緒さん。」

「あ…」

「おはようございます。」

「おはよう。」

純がにこやかに話しかける。

「これから帰るんですか?」

「えぇ。」

「ちょっと待っててください。」

「えっ?」

純は急いで店内に入り商品を選ぶと、素早く会計を済ませて外に出て来た。

「お待たせしました。一緒に帰りましょう。」

「……」

「僕の後ろに乗りませんか?」

「え、自転車の?…遠慮するわ。」

「じゃあ、僕も歩きます。」

純は奈緒の荷物と自分の荷物を自転車のカゴに乗せ、自転車を押しながら歩き出した。

「朝ごはんを買ったんですか?」

「…えぇ。お腹がすいたの。」

「僕も。」

自転車を押す純の少し後ろを歩く。

夏の陽射しが二人を照らし、蝉の鳴く声がさらに暑さを際立たせる。

「朝からこんなに暑いんじゃ外に出るのが嫌になりますね。」

「今日、バイトは?」

「午後からなんです。」

「そう。」

「あ、奈緒さん、ここの公園入った事ありますか?」

「あぁ、ここはいつも通り過ぎてるだけ。」

「日陰が結構あって涼しいんです。ここで一緒に食べませんか?飲み物が温くなる前に。」

純はどんどん公園の中を進み、奈緒は仕方なくその後を追う。

こじんまりとした東屋の側に自転車を止め、純はコンビニの袋をカゴから取り出して中に入った。

「ほら、やっぱり涼しい。」

「ホントだ。」

東屋の側にある大きな桜の木が枝をのばし、まだ低い太陽の光を遮ってくれる。

「お腹すいたー。」

「ふふっ、食べよう。」

二人は並んでベンチに腰掛け、買ってきた物を取り出して食べ始めた。

「いただきまーす。」

「いただきます。」

純がペットボトルのコーラを喉に流し込む。


「ッカァーっ…うまい!」

「あはは。ビール飲んでる人みたい。」

「あははは。」

奈緒は昨夜から笑っていなかった自分に気付いた。

「奈緒さん、そのパンおいしい?」

「なかなかおいしいわよ。」

「ちょっと頂戴。」

「だめ…」

「ケチ。」

「絶対あげない。」


/198ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ