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終止符.
第9章 隠せない心
篠崎が深い場所に何度か触れた時、奈緒の身体は反り返り、言葉にならない叫び声をあげ、全身が痙攣を繰り返した。

「ハァハァ…あぁ…ハァハァ…奈緒、奈緒、奈緒っ…ンンッ…ンぐっ…うぅッ…」

篠崎は耐えきれず、奈緒に搾り取られる様に全てを放出した。

「ハァハァ…身体が…私…私…あぁっ!…」

乳首を口に含むと、それだけで奈緒はまた達した。

脚の指を口に含んで舌で吸い上げ、指の間に舌を差し込む。

「ああっあぁっ…あぁっ…ハァハァ…あぁっ…」

奈緒は挿入されたままの篠崎を休む事なく締め付け、擦り上げ、自分の意思とは関係なく全身が収縮を繰り返した。


なにもいらない
死んでもいい

夢のような陶酔を
今手に入れた


再び蘇った篠崎に擦られる度に、奈緒は涙と唾液を溢れさせ、目は虚ろになり、深い場所で動かない篠崎に雄々しく絡みつき、強い快感に押し上げられながら二人は互いの絶頂を同時に迎えた。


「あぁあぁああッ…アアアあああアアア…」

「奈緒ッ…奈緒…ハァハァ…いい女だ…あぁ…あぁ…奈緒…ハァハァ…あぁ…」




意識が遠退いて、遠くから聞こえるような篠崎の声で目が覚める。

優しく見つめられ、頬が染まるのがわかる。

優しい口づけは初めての時のようで、時がさかのぼったような錯覚を覚える。

「奈緒…」

今夜はその名前を、いったい何度呼ばれただろう。

優しく髪を撫で、微笑む眼差しにまだ胸がときめく。

「奈緒、どうした。」

「なんだか恥ずかしいんです。」

「離したくないよ。」

「……」

指先で篠崎の唇に触れると、篠崎の舌が奈緒の指先を舐める。

頬に手のひらを当てれば、唇が優しく手のひらにキスをする。

その唇が私の唇に触れる事も、溢れる蜜を吸い取ってくれる事ももうない。

耳元で熱い言葉を囁いて私を蕩けさせる事も、その指で私を乱す事も、そのたくましいぺニスで私を導いてくれる事も…


「奈緒…」

「もう、行ってください。」

「……」

「戻るだけですから。」

「奈緒…」

「あなたを知らなかった私に、戻るだけですから。」

篠崎はゆっくりと身支度を整え、ベッドに入ったまま見つめる奈緒の側に来た。

「奈緒、行くよ。」

もう「いってらっしゃい」が言えない。

「部長、素敵な時間でした。」


まだ愛してる。


「行ってください。」

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