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愛のシンフォニー
第7章 ファントム
男たちは自分たちのことをファントムだと言った。

人が人を大切にしなくなり、生命さえも軽視するようになった冷たい世界。そんな現代には憎悪、嫉妬、殺意、悪意といった負の思念やありとあらゆる欲望が溢れている。

そして悪しき感情はマイナスエナジーへと成長した。その闇のエナジーを糧にして誕生したのが彼等ファントムなのだという。

ファントムの目的はこの腐りきった世界を闇に染めて暗黒の世界に変えてファントムが支配する楽園とすることだ。

そのためには仲間を増やす必要がある。仲間を誕生させるには徳造のDNAが必要であり、そのために徳造の種を採取しようとしているのだ。

「ど、どうして僕なんだ?僕のDNAがなぜファントムを増やすんだ?」

「ククク、それは君が一番よく知っているんじゃないのかい」

徳造の問いにファントムはいやらしく笑って答えた。

徳造の頭の中に自分の汚い人生が思い浮かんできた。カネで買われて好きでもない中年女と愛もないセックスを繰り返してきた自分、不幸せな境遇を嘆いて世の中を怨み続けてきた自分。

この世界で自分が一番マイナスエナジーを持っているというのか?
この世の中には欲望や快楽のために人を殺す殺人鬼や、欲望の赴くままに女のコを凌辱する強姦魔も存在する。そんな最悪なヤツらよりも自分の方がマイナスエナジーにまみれているというのか?

だとしたら自分もいつか最悪の犯罪者になってしまうのかも知れない・・。徳造は愕然として震えた。

「どうだい、ミキティは?君の好みの女のコを調べあげて創ったんだから気に入らないはずはないだろう」

ファントムは必死に胸を隠している美樹を見ていやらしく笑う。

「しかし、人間のエロスに対しての欲望は素晴らしい。まるで本物の女体のような人形まで創りあげるんだからね」

「あとは生命さえ吹き込めば立派な女のコのできあがりだ」

ファントムたちはいやらしく笑いながら舐め回すように美樹の身体を見る。

「安心したまえ、ミキティは君専用に創ったモノだ。まだ男を知らないヴァージンだ」

「もっとも、生命を吹き込む時におっぴろげて見はしたがね。ククク、なかなかの名器だよ」

おっぴろげて見たというファントムの言葉に美樹はスカートを剥ぎ取られてパンティだけにされた股をピタリと閉じて俯いて泣いた。
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