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第25章 真の腕の中

「そんなこと無い。いつも守ってくれてるよ。

いつも守られてばかりで、迷惑かけてる。

ウゥぅ～ごめんなさい。うっうっうぅ～」

次から次へと涙が溢れて、止まらない。

彩香は、振り向く事ができなかった。

「彩香が、泣いていいのは、俺の胸の中だ。

彩香が泣くと、俺も悲しいよ。

彩香が笑うと、俺も笑顔になる。

彩香の哀しみを、俺にも分けて？

半分になれば少しは軽くなるだろ？

何のために俺ら一緒にいるんだよ？

楽しい時も、悲しい時も、一緒だよ。」

「私のために真が悲しむのは嫌なの。

真が辛い思いをするのなら、

私は、ここにいない方がいい。

わぁ～～～っ」大泣きする彩香だった。

真は、無理に彩香を振り向かせた。

「彩香、それはダメだからね？

彩香が、俺の前からいなくなる方が

俺は、辛いんだ。

俺の前からいなくならないでくれよ。」