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毒蜜喰らわば
第2章 彼と私
高校時代からの友人たちと趣味の川釣りに出かけるからと、
デートは休みにされた。
そのおかげで咲枝とお参りに行くことができたのだが、
雅治に用事が無くても今日は会わなくてもいいか、と
私の中では少し距離ができていた。

「今日はね、咲枝と一緒に神社にお参りに行ったんだ」

「へえ、正月でもないのに神社にお参りかよ」

「お参り兼御朱印をいただきにね」

「ふうん・・」

弾まない会話がこれほどまでに長く感じるとは、もう・・
限界に近いのだろうか・・

「釣りで疲れたでしょ、ゆっくり休んで」

電話を切る方向へと導くと、それに反することなく雅治も同じように会話を合わせる。
自分から言い出したくせに、どんよりとした寂しさが心に広がった。

「じゃあ、おやすみ」

「おやすみ・・」

電話を切ってからのほうが・・一気に疲れた。


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