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第12章 イタコの孫が見通した、愛・・

ここまで話し終えた時、雅斗がかすれるような声でやっぱり、と呟いた。
やっぱり・・彼の思った通り、だったのだろうか・・

「遊女と侍・・それなんです。稲村さん、ここからが本題なんです」

いよいよ、いよいよ明かされる。
私と茂、そしてこの祠とのつながりが・・・




・・はっきり言いますね。
　　稲村さん、あなたの後ろに遊女の姿が見えるんです。
　　たぶんあなたが夢で見たのと同じ人だと思う。
　　遊女はきっと、恋願神社でお参りするあなたと波長が合ったのかもしれないし、
　　もしかしたら前世が繋がっているのかもしれない。
　　とにかくあなたの体を借りて叶わなかった忘れられない恋を成就させようと
　　憑いてしまったのかもしれないね。
　　そして彼の後ろにも侍の姿が見えたんだ、あの蛍庭園で。
　　二人には・・この地から離れられないはるか昔の魂がくっついてきてしまったんだよ。
　　でも怖がらないで。
　　あなたたちに悪さをする霊ではないみたいだから・・