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毒蜜喰らわば
第13章 別れも幸せも成就
この恋は・・恋をしていたと思うあの数カ月の時間は
やはり遊女の怨念の仕業だったのか。
私の意志とは全く関係なかったのか・・

いいえ、そんな事はない。
確かに私は楠木茂という男を求めた。
彼に抱かれる幸せを味わいたいと望んだ。
でもその気持ちがイコール愛しているという事につながっていたのかどうかは・・
あやふやなままかもしれない。

黙りこくる私に茂は絞り出すような声でごめんと謝った。
美智を傷つけてしまったと、うな垂れる目の前の男に、
何から話そうかうまくまとめられないだけだと笑顔を返した。

「楠木さん、私傷ついてなんかいない。悲しいとか寂しいとかも思わない・・
 あなたが幸せになるんだってことが嬉しいし羨ましいだけ。
 なんだか・・薄情な女だって思われちゃうかもしれないけど」

これは正直な気持ちだった。
ほんのひと時でも体をつなげた男に愛しい感情を持つことは自然だ。
確かに茂は愛おしい男だった。だけど、
私を捨てないでだとか恋人を捨てて私と一緒になって、なんて悲劇のヒロイン的な気持ちは
不思議なほど静まり返っている。
私と茂の愛欲は、心の隙間が作り出した幻のようなものなのだと自覚できているからだ。
そしてなにより・・
この短い恋が遊女の怨念の仕業だと知ってしまったから。
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