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毒蜜喰らわば
第1章 パワースポットでの怪
「そうだよ、私のだってほら、ピンク・・え?
 美智の、違うの?」

目の前に突き出された咲枝のいただいたそれは、黒い墨文字にピンク色の朱印がある。
だが今自分の手の中にあるそれは・・

「もらったばかりの時はね、ピンクだったよ、私のも。
 でも今見たら・・朱色になってる」

ほら、と開いて咲枝に見せたのは、黒墨文字に朱色の朱印だった。

「え?なんでなんで?時間が経つと色が変わるの?そんなことないよね、
 私の変わってないんだから。それにしてもこの色・・
 血の色みたいに赤くない?」

よく見ると、咲枝の言うように朱色よりももっと濃い、赤の様にも見える。
血の色、とまでは想像しなかったが、言われてしまうとそう見えなくもない。

「やだあ、なんか縁起の悪いことでも起きないよね、こんなふうに・・」

そこまで言いかけて、ふと思い出した。

「そういえばさ、愛の木に触ったじゃない?
 あの時誰かの手とぶつかったっていうか、誰かの手が重なったんだけど、
 咲枝だよねえ?」
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