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第4章 ─優しい嘘─

「おはようっ、…寝不足?」
　鈴葉は眠たげな玲の顔を除き混んだ。続いて室内に入った凛音も不思議そうな顔をした。 　
　今日は休みの最終日。課題のたんまり残った三人は図書室で集合し、勉強会をする予定だ。
「ん…まぁな」
　大きな欠伸を一つし玲は目を擦った。それを見て少女たちはｸｽｸｽと笑う。何がおかしいのか、と一方の青年は怪訝な表情を浮かべる。
「…目の下、ｸﾏ出来てるよ?」
　凛音に鏡を渡されﾁﾗﾘ、と鏡の中の自分を見る。
(これは流石に笑う)と玲は納得した。軽いｸﾏだと思っていたのに、予想以上の深さだった。
　寝不足なのはお前らのせい、とは口が裂けても言えず、結局は口を閉ざした。
「さてさて、課題やりましょうか」
　凛音が明るく手を鳴らした。鈴葉も笑って頷く。幼き日から変わらぬ少女達を見て、心中を更にぐちゃぐちゃにする玲であった。