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ネトラレレ
第4章 湯布院温泉
 しばらくすると軽快なスリッパの音を響かせ、部屋へ戻ってきた彼女は少し興奮気味だった。

「どうする?すっごくいい感じだったよ。露天風呂はちょっと熱いぐらいがいいんだよね。」

 彼女はそわそわとクローゼットから浴衣セットを探し出し、彼の分を手渡した。

「先に入ってきたら?運転疲れたでしょ」当たり前のように彼女は彼に一番風呂を勧めた。

 今までの旅行と何ら変わりない彼女の動き。


「先に入っておいで」
 いつもと違うのは彼の方だった。


 彼女は一瞬ためらったが、彼が何かを指示するときは無理をしているのではなく“そうしてもらいたい”と思っているのだ。

それを理解している彼女は「そぉ?じゃ一番風呂いただきますね」

 そう言うが早いか、自分の浴衣を取り出し跳ねるように湯殿へ向かっていった。

 部屋に残った彼が深いため息をついたことを彼女は気づかなかった。

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