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第7章 卒業生の彼女　坂上依那

　印刷機にデーターを送り数百枚の資料を印刷する。

　職員室に隣接した印刷室から出たところで、職員用の通用口が開くのが見えた。

　“こんな時間に？”通用口を利用するのは忘れ物を取りに来た職員ぐらいだろうと思ったら、そこから一人の女性が姿を現した。

「やっぱり先生だったんだ」その女性は満面の笑顔で彼に話しかけた。

「おまえ坂上か？」彼女は数ヶ月前に卒業していった教え子坂上依那だった。