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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
目を開けた俺の目の前には
キラキラとした
粉々に砕け散ったガラス瓶の欠片と
ワインよりもうんと…真っ赤な血を
ボタボタと頭から流したマリアが
俺に覆い被さるように
倒れ込んでいた・・・
『マリア・・・っ・・・!!!』
〃なんで・・・っ!?〃
『あ……あ…あぁっ・・・ひゃぁっ…』
静まり帰った部屋には
マリアの頭に振りおろした瓶の残りを
うろたえながら放り投げて
頭を抱えて座り込むヤツの
不気味なわめき声が響いた
『マリア・・・っ、マリアしっかりしろ!』
『ゆぅ・・・・・・ちゃん』
『なんてことしてんだよお前っ!?
いつも言ってんだろ
あれほど・・・っ、言っただろうが!』
抱き起こしたマリアの
無惨な姿・・・
ダラっと垂れ下がって
力の入っていない腕
視点もまともに定まらない
マリアの表情に
俺の目から止めどなく
涙が溢れてくる
いつも最悪でも
どんなに最悪でも
だからって
なんで・・・こうなるんだよっ!?
『マリア・・・っ、大丈夫だ!
すぐに医者に・・・っ』
『ゆぅちゃ…ん・・・ゎないで』
『?!・・・マリア!?』
『誰にも・・・警察(だれ)にも
言わないで…』
『マリア!?何言ってんだよっ!?
そんなこと…今は言ってる場合じゃ』
『あの人・・・本当に、今度こそ
逃げ場(行き場)が…なくなっちゃう
だから……言わないで・・・お願い
ごめんな・・・さい、勝手…で
ゆぅちゃんの・・・気持ち
全部・・・ムダにして・・・
ほんとうは・・・嬉しかった…のに
私・・・いつも・・・』
『マリア・・・喋るな……っ
じっとしてろ・・・!』
『ごめんな・・・さい
ゆぅちゃん・・・
最後まで・・・優しさ・・・
約束・・・を』
『マリア・・・!マリアっ・・・!?』
薄茶色の瞳が…鈍く動いて
その瞼が
段々と・・・重そうに下りて
長いまつ毛が被さるように
ぴったりと・・・最後まで閉じた
キラキラとした
粉々に砕け散ったガラス瓶の欠片と
ワインよりもうんと…真っ赤な血を
ボタボタと頭から流したマリアが
俺に覆い被さるように
倒れ込んでいた・・・
『マリア・・・っ・・・!!!』
〃なんで・・・っ!?〃
『あ……あ…あぁっ・・・ひゃぁっ…』
静まり帰った部屋には
マリアの頭に振りおろした瓶の残りを
うろたえながら放り投げて
頭を抱えて座り込むヤツの
不気味なわめき声が響いた
『マリア・・・っ、マリアしっかりしろ!』
『ゆぅ・・・・・・ちゃん』
『なんてことしてんだよお前っ!?
いつも言ってんだろ
あれほど・・・っ、言っただろうが!』
抱き起こしたマリアの
無惨な姿・・・
ダラっと垂れ下がって
力の入っていない腕
視点もまともに定まらない
マリアの表情に
俺の目から止めどなく
涙が溢れてくる
いつも最悪でも
どんなに最悪でも
だからって
なんで・・・こうなるんだよっ!?
『マリア・・・っ、大丈夫だ!
すぐに医者に・・・っ』
『ゆぅちゃ…ん・・・ゎないで』
『?!・・・マリア!?』
『誰にも・・・警察(だれ)にも
言わないで…』
『マリア!?何言ってんだよっ!?
そんなこと…今は言ってる場合じゃ』
『あの人・・・本当に、今度こそ
逃げ場(行き場)が…なくなっちゃう
だから……言わないで・・・お願い
ごめんな・・・さい、勝手…で
ゆぅちゃんの・・・気持ち
全部・・・ムダにして・・・
ほんとうは・・・嬉しかった…のに
私・・・いつも・・・』
『マリア・・・喋るな……っ
じっとしてろ・・・!』
『ごめんな・・・さい
ゆぅちゃん・・・
最後まで・・・優しさ・・・
約束・・・を』
『マリア・・・!マリアっ・・・!?』
薄茶色の瞳が…鈍く動いて
その瞼が
段々と・・・重そうに下りて
長いまつ毛が被さるように
ぴったりと・・・最後まで閉じた