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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
気付くと俺は






〃手術中〃のランプのついた
扉の前で呆然と立ち尽くしていた


イカレ狂ったヤツを置いて
救急車を呼んだのは多分…俺


俺しかいない、ってだけで

本当の事を言えば


その辺の記憶がハッキリとしていない









マリアは・・・命はとりとめたんだ













だけど・・・意識が戻らない








頭の傷は深くて

目が覚めてみないと

どんな症状が残るか・・・



身体に…障害や

脳に・・・

記憶に障害が出るかもしれなければ




それ以前に

このまま・・・一生

ずっと意識が戻らないかも知れない







俺が、なんとか知ったのは


そんな・・・残酷な現実












ピッピッピッピッピッ・・・




無機質な医療機器の音と

ベットに横たわって動かないマリア










いつの間にか

ノコノコと現れたヤツが

その様子を憔悴しきった顔で

じっと見ていた






『証拠(いえ)は・・・片付けたのか?』





俺は、クズ野郎の
その背中に向かって吐き捨てた







『彼女は…最後まであんたを庇ってた』






病院側から不審に思われ聞かれれば別だが

マリアの言葉を聞いた俺は

警察に連絡していない






本当は…直ぐに警察につきだしてやりたい



だけど

突き出すのは…簡単だ


本当なら

コイツが…罪の意識を持って

自ら警察に行く

それくらいの気持ちがあったって

おかしくない




そして、それが

コイツの

マリアに対する最低限の

せめてもの償いだと思う





そんな気持ちと、マリアの言葉が

俺を留まらせた








その反面で、俺は

最も咎められるべき

罪深いやつがいると…自覚してた




相手が危険なヤツだとわかってて

あんな無鉄砲な事をした俺自身




マリアを自由にしてやりたい

鳥かごの中から出してやりたい

今度こそ守ってやりたい


そう思ってながら

俺は・・・マリアに守られてた



皮肉にも…幼い遠い記憶と
全く同じような大惨事


体がデカくなっても
大人になっても

俺は所詮
母親に守られてた時と変わらない


別の意味で
〃かごのとり〃だったのは

俺の方かもな…
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