パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第28章 ＢＬＵＥ ＢＩＲＤ

頑張れよ…

頑張ってね…



ごめんな…

ごめんね…



体に気をつけてな…

仕事頑張って…



元気でね…

・・・〃幸せに〃な





世の中に無数にある言葉から

伝えたい言葉を探しても

かける言葉は見つからなかった




そのどれも…俺が

お互いが、お互いに

言ってはならない言葉、そう思えて







『ゆぅちゃん・・・野菜ちゃんと食べてね』




『・・・おぅ』






後ろめたい言葉や

薄っぺらい言葉を交わすくらいなら

何も言わなくていい






そして・・・それよりも


本当は・・・









『・・・っ』






マリアの声が…震えていたのに

俺は気付いてたから









『マリア・・・』






そして、俺自身が

言葉を交わせなかった







これ以上ここにいたら

別れが・・・惜しくてたまらなくなるから





別れが・・・辛くて


辛くて、たまらないから













『ふふ・・・ゆぅちゃん』



『うん・・・？』














『今・・・ひとつだけ

願いが叶うとしたら・・・私』








『・・・』




マリアがどっか向いて、不意に

呟き始めた言葉








俺も、思ったぜ・・・もしも

今、たったひとつだけ

願いが叶うとしたら・・・










俺・・・マリアのこと・・・














『私・・・ゆぅちゃんのこと

キライになりたいな・・・』













『・・・』













『キライになれたら・・・楽なのにね』