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第29章 果たされぬ・・・約束

おいおい・・・おい






『飲み過ぎですよ…』


「ふふ・・・」






タクシーの運ちゃんが
バックミラーで送る視線も気にせず

寄りかかっては手ぇ握ってくるわ
中々の困った…



熟女・・・？とまでは言わねぇのか？


美魔女とかいうやつ？



とにかく



ちぃとばかり…困った人妻サン




全身ブランドで着飾ったようなオンナ

ダンナは田舎の大富豪とかじゃ
ねぇだろぉな？

勘弁してくれよな






〃現実(いえ)〃に帰れば



切り替えて…〃妻の顔〃

或いは…〃母親の顔〃


しなきゃなんねぇんだろ？






『あまり帰りが遅くなると

〃お家の方〃心配するんじゃないですか？』







「ふふ・・・お若いわね？色んな意味で
あのねぇ…覚えておいて？

お互いに楽しむための
暗黙のルールがちゃんとあるの

こういう日に
そういう話はNGワードよ・・・うふふ」






『・・・』



刺激のない…つまらない日常から

ほんの少しだけ自由になる



そんな…奥サマの

シンデレラタイムに



夢を壊すようなハナシは

タブーだ、ってか？








ピタッ・・・



ｽﾘｽﾘ・・・






なんか・・・俺の腿なでてるし














『恥かかせないで・・・』














すっ・・・っっげぇ


肉食オンナ？






『・・・』






本日、何度目の？





・・・マジかよ？






・・・










『すみません…停めて下さい』








キキ…ィ…っ








俺はタクシーを降りた