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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第6章 マリアの日記・・・
『・・・』

『ね?・・・どして?』






どうして・・・


どうして、だろう?



薄茶色の瞳で
まっすぐに見つめるマリアに


不意討ちをくらったような
気持ちになる。



マリアを見ると

〃ただ単純に疑問〃

というのと

〃心配事〃

その半々……みたいな顔してた。




『ゆぅちゃん…彼女とかいないの?』




マリアは間接的…というか

俺の側の心配して
こんな言葉をかけてきたが


それは
裏を返せば

俺自身の行動に
何かと問題があると言う事だ。





マリアは配偶者のいる人だ。

家庭のある人…

夫のいる……人妻。







事情があるとは言え

俺がその事情を
知った上の事だとは言え



既婚者の女を

独身者の男が

家に寝泊まりさせている。




やましいことも何もなくても


そんな行動をとるのは

どんな誤解を生んだって
不思議ではない。

むしろ
そう思われる可能性のが
うんと高い。




ある種

家出少女を家に連れ込むよりも

はるかに…はるかに
様々な事態を招きかねない。


あの時のように
偶然の、一度きりの事ならまだしも

こうして
繰り返して行けば

〃通りすがりの人〃

などとはお互いに言えない。



警察の厄介になるよりも
ある種…

とんだ厄介なことを
招きかねない。


そんな事は

さすがに俺にだって
わかってたハズだ。

もちろんマリアにも。




そして
聞かれてハッとした。



なぜ?と言われたら……

なぜだろう・・・


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