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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第15章 命の・・・重さ
ロボットみたいに突っ立ってる俺に
医者がペラペラと
かまわずに説明を続けた。



「今日のところは救急ですので

確定診断は後日…産婦人科を受診して
詳しい検査を受けて下さい。

あとは今日は、もう目が覚めて
状態が良ければお帰りいただいて
結構です」






『ありがとう…ございました…』




〃・・・・・・〃








フラ・・・






脳に酸素が行かねぇ…






少しよろけながら
マリアの元に行く。







ベットの横に椅子置いて…
眠るマリアをただただ眺めた。










『ゆぅ…ちゃん・・・』


『マリア・・・気がついた?』




『・・・どこ?』


『病院だよ』



目を開けたマリアが困惑気味に
キョロキョロと辺りを見回した。





『私・・・どうして…?』



『お店で倒れたんだよ』







『・・・ゆぅちゃん…どうして?』





『店から連絡もらった。

ん~・・・・・・履歴書?(笑)

まさかのまさかだったな?…ハハ』




俺は必死こいて平静を
装おうとしてた




『お仕事…抜けて来てくれたんだよね…』




『~まぁ良かったろ?俺で(笑)』








『・・・ごめんなさい』


『マリア…』





『また…とんだ迷惑を・・・ごめんなさい』



マリアが手の甲を
おでこに当てるようにして
顔を隠した…




『マリア…ちと疲れてんだよ

少し貧血起こしてるらしいんだ

それで~・・・』





付け焼き刃で

ごまかしても…しょうがないんだけどよ




『・・・』


『今日は帰って大丈夫らしいからさ』






『・・・』



『マリア・・・落ち着いて聞いて』






ごまかしても…仕方ない




『・・・~っ』




だけど、それ以前にさ…





『マリア・・・』


『・・・ごめんなさい』





『・・・?』


『ごめんなさい…っ、ごめんなさい…』








『マリア…おい?』








『ごめんなさい…っ、ごめんなさ…っ

っっ……っ、っ…わぁぁぁあぁぁあぁんっ』











マリアは



自分の身体のことは

自分で…わかっている






全身で、そう言っているようだった。
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