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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第15章 命の・・・重さ
『ウソなんかじゃ・・・ないよぉ…っ』






『(笑)だろ?

だから・・・戸籍とか
血の繋がりとか、そんな重要じゃねぇよ

俺に悪い、とか思うのも違うぜ』






『でも・・・』






『可愛いだろ~な♪マリアの子だもんな?

女だったら…素直で優しくて
ちとドジで?(笑)

男だったら~…そうだな
美男子で?女にモテまくる?(笑)』










『ゆぅちゃん…そんなの
実際わからないじゃない

私だって、ゆぅちゃんだって

実際どう思うか・・・』











『ハハハ…!でもな、マリア?

俺一応・・・経験してっからさ

その辺のヤツより説得力はあると思うぜ?』






『???』











『俺は・・・経験してるから

血の繋がりがなくても

ちゃぁ~んと…〃家族〃になれるってこと

知ってるからよ…』








他人の子を…我が子のように


我が子そのものとして


愛せる親は、ちゃんといるってこと。












『ゆぅちゃん……っ…』





マリアが大粒の涙をボロボロ溢して
嗚咽を堪えて俺を見上げた。


















・・・ビリッ!!!








俺はマリアがテーブルに伏せていた
中絶手術の同意書を

真っ二つに破り棄てた。










『ぁっ・・・ちょっ…』


『・・・♪』






『か・・・返してよ。やっと…書いたのに』














やっと・・・書いた。



不意にいってるけど

ホントに、やっと書いたんだろうな

自分に必死にウソついて



涙・・・こらえて。






署名欄のマリアの文字は
誰が見てもわかるくらい

震えて書いたのがわかる
ブレまくった字だった。



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