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第16章 瞬間(とき)の・・・悪戯

マリアの旦那は弁護士を通じた
話し合いの要求にも何も応じていない。

「妻が勝手に出てった、ほっとけ」

なのか、水面下でなにか画策しているのか
何一つわからないのだ。

これはマリアに大きな不安を与える。


弁護士も「だいたいのケースでは～」とか

「こうなる判例が多い～」
なんて話はしてくれるらしいが

当のマリアの件の旦那に動きがないと
なんとも見通し立たずなんだよ。



何を考えててるかわからない旦那…

裏を返せば

〃何をしてくるかわからない〃





ひとつだけ言えるのは・・・

話し合いに応じない…それは


善意、悪意を問わず
少なくともあの男は


マリアを〃自由〃にする気が・・・ない。






これは、俺の思うところの〃最悪〃だ。





マリアの妊娠を知ったら
あの男、どう出て来るだろう…


お腹の子どもは、いずれ産まれてくる。

もしかしたら旦那が、子どもを
自分の戸籍に入れたくないと
言うかもしれない
(俺らとしては有難い)

戸籍の問題がどうなるかは別として
産まれたら、少なからず法律上は
あの男の子どもになる

色々とさ…おかしな法律だよな・・・
なんてのは、問題発言か？

でも…誰を守るための法律だよ…
って個人的に俺はぼやいてる。


本音を言えば
俺は、そこら辺のこと考えると
ちと身震いする思いがあるぜ。



何をするかわかんねぇって
一番恐ろしいだろ？・・・



その辺どうなんだよ？！あれは？これは？！

なんて…頭悩ましてるけどさ








そればっか考えてると
どうしても重たく暗く・・・

マリアとお腹の子に毒だからさ




半ば休戦状態で
なるべくリラックスしたりしてさ


一緒にウマイもん食ったり…


なんつぅの？
取り繕ってるワケじゃねぇけど
〃フツウ〃に過ごしてるぜ俺ら？



案外マリアもニコニコ笑ってんだ


まだペタンコだけど
お腹撫でたりしてさ・・・幸せそうに。