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第16章 瞬間(とき)の・・・悪戯

この男・・・

マリアの母子手帳を見て

ハッキリと「自分の子」と断言した







そりゃ「誰の子だよ？」なんて
言う男よりマトモかもしんねぇよ？




ただそれを素直に
飲み込めないのは…俺だけだろうか？





コイツ・・・なに考えてっかわかんねぇ

そんなタイプに見えるけど

変にえらく頭の回転がいいのか？




俺も見せてもらったけど
マリアは母子手帳に〃父親〃の名前を
書いていない




コイツは手帳の記録をみて
すぐに自分の子と断定した




(俺だったら多分…器用に計算できねぇぜ？)





ってのもあるけど

なんか…コイツの不気味なトコっていうか

上手く言えねんだけどさ





コイツ・・・自信があるんだろうな




なんて言おうか

マリアに対する支配感…みたいな




自分の子だ、って

自信がある・・・



なんか、そんな


なんとも言えない


不気味な雰囲気を醸してるんだ…。











『フフ・・・〃天は見てる〃

ってやつだなぁ？・・・マリア』




『・・・・・・っ』








『お前がワガママに、勝手な事をしても
天はちゃんとみてる

こうやって…〃俺とお前を繋ぐもの〃を
ちゃんと残している』










コイツ・・・まじ気色ワリィ






俺は寒気がした














『さぁ…帰ろうマリア？
どうせ意地になってひとりで育てるなんて
口ばっかりなこと考えてたんだろ？

できもしないくせに…
お前は外に出るのは向かない

今回のことは水に流してやる

ﾊﾊｯ…やさしいだろう？有難いと思え？
これからは子育てに専念していろ』






男がマリアのお腹に手をのばした










『っ！・・・・・・やめてっ』







マリアが咄嗟に身をよじらせて
両手でお腹を庇った







『この子に触らないでっっ・・・』