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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第19章 愛してるから・・・さようなら
一方的に答えを告げたマリアは

少し寂しそうに笑った



『私も、ずっとわからなかったの
気持ちもない相手と…どうして
無理矢理一緒にいようとするの?って

だけどね・・・私を閉じ込めた
あの人の言葉を聞いて
やっとわかったの』





なんて…言われたんだよ?






『あの人は・・・別れる気はない、って
そう言ったの

逆を言えば…それだけ
あの人の話は、それだけだった』






え・・・?






『許す気がない・・・そのうえで
それ以上の制裁はない』






・・・。






『そんなあの人に…万が一、億が一でも
私たちの事が知れてしまったら

あの人は・・・あなたも私も
地獄以上の地獄に叩き落として

何もかも…全てを壊し尽くす
それほどの制裁を加えると思う』





ゴク・・・っ


めちゃくちゃリアルな
冷や汗が夢の中の俺の背をつたった






『それを・・・実際に
私は肌で感じたから・・・

本当に恐くなった

本当の意味で…あなたを失う
それが・・・恐ろしくなった』








マリア・・・だから、それは







『ふふふ・・・ゆぅちゃん

すき・・・大好き

愛してる・・・誰よりも』







マリア・・・俺

俺も・・・マリアを






『だから・・・一緒にはいられない』








マリア・・・待てよ

お前、一人で喋ってねぇで

俺の話を聞けよ









『愛してるから・・・さようなら』







・・・。






現実に…マリアが言ったのと
同じセリフ





それを聞いた
次の瞬間・・・








ガチャン・・・っ








え・・・?






夢の中の俺に


衝撃音と振動が響いた








『ぁ・・・』





キョロキョロと
戸惑うように瞬きする
羽の生えたマリア




気づくとその目の前が


鉄格子のようなもので
一面、覆われていた
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