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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第23章 逃避行・・・
「篠宮、お疲れだったなぁ~」


都市部…
それも少々治安のよろしくない繁華街の
立ち飲み屋


仕事終わりに俺にメシ奢ってくれて
機嫌良さげにビール飲んでるのは

俺がこの日、同行していた
中堅先輩社員


『お疲れ様でした…』



誰も来たがらないエリアへの業務

言ったら露骨な雑務…

暗黙の…会社から俺への

ちょっとした〃制裁〃ってとこかな

気にする程の事ではない…



マリアのなくしたものに比べたら

ホントに…なんてことも




俺は…のうのうとしてるってモンだ




直帰していいって事だったから
少し有り難かった

会社になんか…正直
戻りたくなかったからな




この一見ちゃらんぽらんげな
でもって時々人の良さげな
先輩が同情でもしてくれたのか

同行して色々手解きしてくれてた
そんな感じだ



「まぁ篠宮~若い時は色々だろうけどよ」



社内で噂にもなれば
当然この人も耳にしたやも知れない

何か言及こそしてこないが
それとなく…なんか励まされてる俺




誰かに…誰にも
相談することでもなければ
出来ることじゃない

容認されることではないのだから

俺は特に答えなかった



「まぁ盆休みだしなぁ♪
お前もリフレッシュしろよ」




にしても上機嫌だと思えば
やってくる夏期休暇に
浮き足立ってるみたいだ




『楽しそうっすね先輩
なんか予定あるんですか?』


「フフン♪~子どもに〃会いに行く〃のよ」





会いに行く…?
あぁ…この先輩は確か












・・・バツイチ








『はは…そりゃ機嫌良いワケっすね(笑)
お子さん~~~…』





適当に会話しながら
少し酒を飲んだ
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