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第23章 逃避行・・・

俺はマリアの手を引いて
ドアへと急いだ


もちろん…マリアの猛抗議にあいながら




『行くって・・・どこによ？！』




『いーから・・・』





『よくないよ…っ、勝手に決めないで』






『来てくれ・・・』





『だからどこに？！』





『・・・』










『ねぇ…はなして
どこだかわからないけど

私は、ゆぅちゃんとは行かない
私たちは…一緒にいたり

会ったりしちゃいけないんだから…
私は・・・行けないよ』







そんな現実は…わかってた

マリアがここまで犠牲を払ったんだ

その現実と…事の大きさが

わからなかった訳がない






『マリア・・・』




俺はマリアを背中から抱きしめた







『・・・っ、・・・はなして』





『・・・』






『はなして…よ

私は・・・ゆぅちゃんとは

もう二度と会いたくなかったんだから…！』







『・・・』





マリア・・・。






『二度と〃会いたくない〃んだから…っ

早くお別れしようよ…！

今度こそ…っ、二度と会わない！』





ドン…っ





マリアが俺から逃れて
俺を突き飛ばした






『マリア・・・』






『触らないでっ・・・！！！』






ピクっ…



マリアの剣幕に手が止まる





だけどマリアは・・・じっと
唇を噛んでいて





『よく・・・触れるね…、私
ゆぅちゃんの言うとこの

〃気持ち悪いオヤジ〃に…お金もらって
エッチしてるんだよ？

仰る通り…〃イイ歳して〃
こんな…不倫に負けず劣らず

軽蔑される最低なことしてるの
そんな女に…よく触れるね・・・』








『・・・。俺に…そんな事言うために
そこまで自分を傷つけたのかよ？』






『関係・・・ないってば…っ』






『マリア・・・』






『やめて・・・っ！！！』






俺は嫌がるマリアを
それでも抱きしめた










『・・・・・・ｺﾞﾒﾝ』





微かに…聞こえるか聞こえないか
わからない声でマリアに呟いた