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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第24章 二人だけの誓い・・・
トン・・・



少し歩幅の違う2つの足が
同時に降り立ったのは


真夜中の地方都市






乗り継げる電車がなくなるまで
俺とマリアは進み続けた




片時も…繋いだ手をはなさずに






そして降りた場所・・・






『とりあえず歩くか』

『うん』




駅を出て、近辺を少し歩いた





『ここ・・・どこ?…ホントに』




マリアの呟きに
俺はスマホを出して確かめた





『N県…M市・・・らしい』





『はじめて…来た・・・』



『俺も…』






『当てもなく…長旅したのなんて初めて』




『・・・俺も(苦笑)

マリア…、ふふ…恐かった?』







『ううん』






『ウソつけ(笑)キョドりまくってたろ』






少しからかった俺に
マリアが手を握り返して微笑んだ







『〃人間(ひと)〃の造った道・・・

誰かが通って…誰かが造って来た道

〃道〃は・・・全部

どこかで繋がってるから・・・

だから、知らない場所であっても

こわくなんかない

自分の足で…どうにだって歩ける』









なんかスゲェ…ドキッとした




理由はねぇけど

なんかコイツってスゲェ…って

心臓が高鳴ったんだ





マリアって

たまにめちゃくちゃ的を得た事とか

なんとも表せない

人を惹き付ける事を言うんだよな

意外な生命力の強さみたいなさ・・・







『はは…頼もしいかぎりで、安心したぜ

とりあえず…休もうぜ』



『うん…っ』






マリアはニコリと微笑んで
また俺の手を握り返した






真夜中に…それも知らない土地で
歩き回る体力も気力も残ってない

そんな俺とマリアは
駅の側のビジネスホテルにたどり着いた








「いらっしゃいませ」


『部屋、空いてますか』





真夜中…怪しい男女?



そうでもねぇだろ?




仮にも仕事帰りだった俺はスーツ姿…


と・・・?



いかにも都会から来ました…みたいな

メチャクチャ派手な格好のマリア…



・・・十分怪しいか?(苦笑)








「ツインのお部屋でしたらご案内出来ます」


『なんでも良いデス』






部屋に入った俺とマリアは

死んだように眠った
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