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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第24章 二人だけの誓い・・・
『ふふ・・・うん…』



それが伝わったのか
マリアは笑って
俺の手を握り返した


クソあちぃのに…寄り添って歩く





『~えぃっ…』



『?!あ…おい…っ』







『ふふふっ』




マリアがピョコっと飛び上がって
俺のかぶってた帽子のつばを掴んだ






『ぁ~・・・いらなかった…かもな』




『ふふっ…紫外線ケアですか?
シノミヤクン?(笑)』




癖って…中々こぇーよな?



着替えと併せて
ついつい買っていたキャップ…



マリアが脱がせたまま
俺はもうかぶらなかった






キャップを脱ぎ捨てて
目の前に広がる景色は
なんとも言えないものがあった




知らない土地

知らない街

知らない人間




地方の街は心なしか緑も多くて
空気がキレイだった





『マリア~?…ここの空気は何味だ?(笑)』



『ん・・・~、〃メロン味〃』





『テキトーに言ったな(笑)~ウマイか?』






『うん…っ、すっごく』






『やっぱムコウとは違うな♪?
自然が多いっつぅかな…』







『んふふ・・・チガウょ』






『うん?…』






マリアが少し…ほくそ笑んで
そのまま俺の腕にしがみついた








そのまま顔を上げたマリアと目が合う










『…〃一緒〃ダカラ・・・』









『・・・』






ドキッ・・・



っとしてんじゃねぇよ

俺は俺でイチイチよぉ!?(汗)





クリッと動いて俺をとらえた
薄茶色の瞳に
俺は思わず赤面した




一緒・・・二人きりだから・・・





本当の二人きり…初めてのこと




誰にも後ろ指も指されない

ここでは俺とマリアは

普通の〃男と女〃






それを現実逃避と言うのかも知れない





それでも


誰にも邪魔をされない

誰の影に怯えることもない



そんな夢のような景色

そんな場所で吸い込む空気は…




『・・・〃自由味〃…かな』




マリアがもう一度呟いた





例え仮初めの自由であったとしても

そんな…身体中の毒を洗い流すような

〃自由味〃の空気を吸い込んで

マリアと街を歩いた
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