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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第24章 二人だけの誓い・・・
〃その名前ではできない〃



俺が呼んだ…マリアの名前







ザ…ザ…



マリアが砂の上を歩いて
俺に歩み寄って


俺がしまおうとした指輪の箱を
そっとあけた



『ゆぅちゃん・・・いつのまに』



マリアが少し微笑んだ



『~~・・・いいから

〃手〃・・・出せよ』





マリアは少しモジモジと戸惑った







『お前…何て言うんだよ?』




箱から指輪を出しながら
マリアに聞いた




『ぇ?…』




『ダンナのじゃない…お前の名前
マリアの・・・旧姓』





『~~・・・』





『そろそろ教えろよ…』






マリアは・・・ちょっと笑って

また俺からはなれた






木の棒を拾って
砂浜に・・・





ガリ…ガリ・・・









○○ まりあ








『って…おい』




『ふふ・・・ダメ、ナイショ』






『~~んだよぉ、ダメダメって
ワガママなヤツだなぁ』






『ふふ・・・ごめんね
叶った時に・・・はじめましてって
名乗りたいから・・・それまで内緒』






マリアの願掛けは…変わってなかった







だけど







『ふふ、これが…目標・・・

願掛けだったけど…でもね』





マリアが少し照れ臭そうに
〃○○まりあ〃の文字を
木の棒で消し去った






『?』








『今は…本当は、こうなりたいんだ』











〃篠宮 まりあ〃








マリアが砂の上に書き直した

もうひとつの名前・・・









『私のワガママだけどね・・・』








書き終えて、しゃがんだまま

マリアが涙を浮かべてた







カシャッ…





『えっ…?』





背を向けたマリアを
砂の上に書いた名前を背景に
写メとった







『そのワガママなら…大歓迎だ』





驚いて振り向いたマリアに
微笑んで…手を伸ばす





俺にとっては

絶対に・・・貫いてほしいワガママだ


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