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梅の湯物語
第7章 湯上がりラムネをご一緒に
雅人はもう一歩近づき桜の手を取った。


「ねえ、桜ちゃん」


雅人は桜を見つめた。



「梅の湯の湯上がりラムネ

 僕と一緒に飲んでくれますか?」



驚いた桜の目が更に大きく見開かれる



「え?!」



雅人はにっこり笑った



「湯上がりラムネ 一緒に飲も」



桜の頬に一筋の涙
そしてその頬がゆっくり動いて

天使の微笑みに



「うん。


 飲も

 一緒に」


笑った桜の目から溢れだした涙が流れ落ちる。


「よかったぁ」


雅人が桜をぎゅっと抱き締めた。


目映いステンドグラスの光が二人を包む。





“梅の湯の 湯上がりラムネをご一緒に”


それは梅之木町の住民なら誰もが知っている 

“告白のことば”


『僕と付き合ってください』




二人は目映い光のなかで唇を重ねていた。










“湯上がりラムネ”には更にもうひとつの意味


“今夜は朝までご一緒に”

を桜が知っているかはわからない。








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