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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第2章 満月の夜に
えっ?
何?
目を凝らして、その物体を見ると、それは小さなコウモリだった。
「きゃっ、コウモリ!!」
ビックリして声をあげた私は、その先に見えた人に、また息を飲む。
少し先の波打ち際に人がいる。
さっきまでは、向こうにいた人?
いつの間に?
コウモリがフワリと、その人の真上を舞っていく。
まるでその人の言う事を聞いているかのように、綺麗にその人の周りを舞っている。
目の前に広がるその光景は、何とも奇妙なものだった。