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行こうぜ、相棒
第6章 Englishman In New York



「業務セックスって呼ぶんですよ、あの子」
と、エリは言った。「でも私だって似たようなものなのかも」

「似たようなもの?」
エリの背後に回った先生が静かに尋ねる。

「あの子は撮影の時、業務でするセックスに愛はないのだけれど、その場を一緒に作る男優さんと心を通じ合わせ、身体の反応だってきちんとさせられるって言うんです」
「さすが、プロの女優さんだね」

そう言ってから先生は、「痛くないかな?」と丁寧に聞いてくれる。
背中に回した両手を腰のくびれの位置で交差させ、二の腕から先に朱色の柔らかな縄をかけられてゆく。
初心者のエリが痛がらぬよう、先生は少しゆるめに結び目を縛ってゆく。
とはいえ、両腕を腰の位置で固定されるだけで、身体の自由は奪われ、なにもすることができない。

「私の授業でも、彼女の演技力は他のひとから頭ひとつ、抜きん出ているからね。天性のものと、努力。どちらが欠けてもそこには至らない」

先生はエリの両手の固定を終えた。
彼はスツールに座るエリの前に回ってくる。両手には腕を縛った縄の続きを持っている。

「バストを縛るよ? いいね?」

彼は淡々とそう告げる。
エリは小さくうなずいて、先生の緊迫に身をまかせる。



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