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行こうぜ、相棒
第6章 Englishman In New York



背中を向けた先生は立ち止まり、スローモーションでこちらに振り向いた。
そこには、深い笑みが広がっていた。

「やっと、胸のうちをひらいてくれましたね」

と、穏やかに告げた。
そして黙って拘束されているエリのソファーのとなりに腰掛けた。
その髪を撫で、その肩を抱いた。

「大丈夫?」

先生が聞く。

「…はい」

エリは強い羞恥の気持ちに襲われた。図らずも自分の一番深い場所にある気持ちを口に出してしまったことに。

「怖かったんだね?」

怖い?
そういう感情だろうか?
分からない。

「わかりません…ごめんなさい。
言葉に、できません。……気持ちを」

うん、とだけ先生は答えて、あとは黙って髪を撫でてくれた。

「あまり優しくしないでください」

エリは、こぼれそうになった気持ちをとりまとめ、強気にそういった。不恰好な笑顔を作っていることに、彼女自身は気づくことはなかった。
くくっと、喉の奥で先生は笑った。

「解いてあげる。コーヒーを淹れた後にね」
そう言った。

それから数分後、エリは拘束を解かれた。
彼女は先生に断って、手洗いを借りた。
清潔に掃除されたトイレの便器に座り、エリはジーンズを下ろし、コットンのショーツを下げた。

グレイのショーツのクロッチに、透明な愛液の糸が伸びていた。

ペーパーで拭かねばならないほどに濡れているとは、その瞬間まで、エリは自分でも気がつかなかった。



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